【手術の部位】 ひざ

1. 人工膝関節置換術とは

膝関節の軟骨がすり減り、起立時や歩行時に強い痛みを伴うようになった時、その傷んだ部分を金属やプラスチックで覆い、直接ぶつからないようにすることができます。このように、膝関節を自分のからだ以外の材料を用いて修理する手術を人工膝関節置換術と言います。

 

 

 

2. 手術の種類

人工膝関節置換術には、膝関節の軟骨のすり減り方により2種類の方法があります。

 

1）人工膝関節全置換術

膝関節の大腿骨、脛骨、膝蓋骨（おさら）全ての関節面を金属やプラスチックで置き換える手術です。変形が強い膝
や伸びきらない膝など全ての変形に対応できます。

 

 

2）人工関節単顆（たんか）置換術

膝関節の損傷した一部分のみを置き換える手術です。おもに内側の関節面を金属とプラスチックで置き換えます。手術前とほぼ変わらない膝関節の感覚を復元することができます。

 

 

 

 3. 手術方法

（1）当院の麻酔専門医による全身麻酔下に行われます。
（2）膝の前面に8～12cmの皮切を行います。
（3）それぞれの器械を用いて正確な骨切りを行った後、骨セメントを用いて大腿骨、脛骨に金属を接着します。
（4）大腿骨と脛骨に接着した金属の間にプラスチックを設置します。
（5）人工膝関節全置換術の場合には、膝蓋骨の裏側にプラスチックを設置します。
（6）膝関節の安定性が良いことを確認し、創を閉じます。

 

＜人工関節全置換術／手術前〜手術後イメージ＞

＜人工関節単顆置換術／手術前〜手術後イメージ＞

 

 

 

４. 手術により期待される効果

起立時や歩行時の痛みが取れます。関節の可動域には個人差がありますが、リハビリをすることで手術前の状態に近づくことができます。

 

 

５. 手術後の予定

術後2日目より関節を動かすリハビリを始めます。術後1週より歩行訓練を始めますが、無理をせず痛みに応じて行います。術後3～4週で退院し、その後も通院でリハビリを続けます。関節の腫れがなくなり、人工関節が膝になじんだように感じるのには4～6ヵ月を要します。

 

 

 

手術データ

手術時間：	100〜150分
入院期間：	3〜4週間
リハビリ期間：	退院後、膝になじむまで4〜6ヶ月程度の通院が必要