当院における脊椎・脊髄疾患の治療について
令和5年度より、日本整形外科学会認定脊椎脊髄病医および日本脊椎脊髄病学会認定脊椎脊髄外科指導医の資格を持つ、吉本医師と藤田医師による新たな診療体制がスタートしました。
両医師ともほぼ全ての脊椎手術を顕微鏡もしくは内視鏡を用いて、安全かつ低侵襲に行ないます。特に内視鏡下手術においては、早くから脊椎内視鏡下手術技術認定医の資格を取得し、すでに1000例以上の手術実績があります。そして治療成績については、術後長期の経過観察を行った上で、手術の良い面と悪い面の両方をきちんと評価し、査読プロセスを経た主要英文医学雑誌に医学論文として掲載しています(各術式紹介に論文の日本語要旨を記載しています。詳しくはPubMed(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/)および医学中央雑誌刊行会HP(https://www.jamas.or.jp/)をご参照ください)。
当院の脊椎疾患の治療に関する基本的な考え
- 脊椎疾患には良好な自然経過(つまり放っておいても勝手に治る、もしくはあまり悪化せずに長期にわたって機能が維持される)をとる疾患が数多くあります。したがって、治療の基本はまずは投薬やリハビリ、神経ブロックなどの保存治療(手術以外の治療をこう呼びます)ということになります。手術は、保存治療が無効であった症例のみに行うべき手段です(もちろん早期に手術を必要とする症例には迅速に対応します)。
- 手術を行う場合は、体に負担をかけない低侵襲手術を行い、早期社会復帰やスポーツ復帰を可能にします。
- 変性疾患(加齢によって起こる疾患をこう呼びます)は、一度手術が上手くいったからといって、生涯に渡って大丈夫ということはありません。加齢によって様々な変化が引き続き進行しますので、世界一の名人が最高の手術を行なっても、一定の確率で再び悪化する症例が必ず現れます。そのような、未来に起こるかもしれない不具合も加味して、いかにして生涯にわたって機能を維持できるかを考えながら治療方針を組み立てます。
現在受けている治療、もしくは勧められている治療で悩んでいる方や、納得のいく説明がなく困っている方は、いつでも気軽に受診してみてください。セカンドオピニオンだけでも構いません。科学的根拠に基づいて、それぞれの患者さんに最も適した治療方針を一緒に考えていきます。