手術の例

腰椎内視鏡下・顕微鏡下椎間板切除術 ようついないしきょうか・けんびきょうかついかんばんせつじょじゅつ

【手術の部位】 こし

1.腰椎椎間板ヘルニアとは

椎間板が後方に突出し、神経(馬尾や神経根)を圧迫して症状を出します。腰痛や、お尻から足にかけての痛みやしびれが主な症状です。急性期の症状が強い時には、じっとしていても痛みが出ることがあります。

L4/5 腰椎椎間板ヘルニア
椎間板が後方に突出し神経を圧迫している

 

2.自然経過と治療方針

痛みは自然と改善することが多いということがわかっています(全体の約70%)。したがって、すぐに手術を行う必要はなく、投薬などで痛みを抑えながら改善を待ちます(高度の筋力低下や排尿障害を伴う時は急いで手術を行うこともあります)。一方、いつまでも痛みが続く場合は手術を行います(全体の約30%)。

発症初期の段階で、いつ頃痛みが軽減するのか、結局手術が必要になるか、といったことを正確に予測することはできません。投薬などの治療で痛みがどのくらい抑えられているか、また、どのくらい日常生活(仕事やスポーツも含めて)に支障が出ているかなどを総合的にみて、手術を行うかどうかを患者さんと相談した上で決めていきます。希望によっては早期に手術に踏み切ることもあります。

 

3.手術方法

従来は傷を大きく開けて行う椎間板切除術が主流でしたが、当院では内視鏡や顕微鏡を用いた低侵襲手術を行なっており、術後の疼痛軽減や早期の退院が可能となっています。

 

  1. 当院の麻酔専門医による全身麻酔下に行われます。
  2. 腰に1.5~3cm程度の皮膚切開を行います。腰の筋肉の線維を広げるように小径の筒を挿入します。筋肉は切ったり剥がしたりしないので、ほとんど痛めません。
  3. 内視鏡や顕微鏡を用いて拡大した安全な視野でヘルニアを切除します。

 

従来の傷を大きく開けて行う手術の術後MRI
手術操作によって腰の筋肉(傍脊柱筋)が傷んでいる(赤枠内)

 

内視鏡下椎間板切除術:筋肉を切らずに線維の間をわけるようにして内視鏡を挿入する。手術創は1.5〜2cm。

 

内視鏡下椎間板切除術の術後MRI
腰の筋肉(傍脊柱筋)がほとんど傷んでいない

 

4.手術後の予定

手術翌日から歩行を開始します。安定した歩行ができれば退院できます。入院期間は術後3日間〜2週間程度です。

 

5.手術成績

当院の医師の治療成績を英文論文に掲載しています。

  • Yoshimoto M, et al. Long-Term Outcome of Microendoscopic Discectomy for Lumbar Disc Herniation. A Clinical Study of Consecutive 112 Cases With More Than 5-Year Follow-Up. J Neurol Surg A Cent Eur Neurosurg 2017;78:446-452.
    【日本語要旨】
    内視鏡下椎間板切除術を行った腰椎椎間板ヘルニア112例の長期成績を評価した。手術侵襲を示すCRPとCKは術後3日でそれぞれ平均0.72mg/dL、224.6IU/Lと低侵襲であった。臨床成績を示すJOAスコアの改善率は平均68.7%、SF-36は国民標準値で23.4点から48.6点に改善した。術後平均6年3ヵ月の経過観察期間で、ヘルニアの再発などで再手術を要した症例を7.9%に認めた。
  • Yoshimoto M, et al. Microendoscopic Discectomy in Athletes. J Orthop Sci 2013;18:902-908.
    【日本語要旨】
    競技レベルでスポーツを行なっているアスリートの腰椎椎間板ヘルニア25例に対する内視鏡下椎間板切除術の術後成績を調査した。JOAスコアの改善率は平均80.4%であった。2例は手術とは関係のない別の理由で競技を中断した。残る23例中19例(82.6%)は平均10.8週と短期間のうちに元の競技レベルに復帰した。遺残する疼痛が原因で1例(4.4%)は競技レベルを下げて復帰し、3例(13.0%)は競技に復帰しなかった。
その他の手術例

手術について 


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